カビが生えた餅、みかん、パン・・・
もしカビが生えたものを食べるとどうなる?
体内で増える?毒で食中毒?!
カビが生えた部分を取り除けば大丈夫なのでしょうか?
カビを食べたかもしれないあなたのお腹は大丈夫なのか
これからカビの部分を取り除いて、今から食べようとしているあなた、本当に大丈夫ですか?!
「経験上、大丈夫!」と思っていても
たまたま大丈夫だったのか、いつでも誰でも大丈夫なのでしょうか?!
もくじ
カビが生えたものを食べたら体内でどうなるの?大丈夫?
カビが生えた食品を食べた場合、お腹を壊したり
食中毒になったりしないのか心配ですよね。
でも、うっかりカビが生えた食品を食べても、お腹を壊すとも限りません。
ということは、どうやら「カビ=毒」ではなさそうです。
では、カビを食べた場合、体内でどうなるのか考えてみます。
カビは体内で増えるの?毒になる?
人間のお腹(胃)の中には、食べ物を溶かすための胃液があり
一般的にも「胃酸」と言われるように、胃液は強い酸性で
通常の胃酸はpH1~2だと言われています。
(※酸性、アルカリ性を表すpHは1に違いほど酸性、14に近いほどアルカリ性)
この強力な酸性を示す胃酸があれば、大抵のばい菌なら
なんとか殺菌できそうですが、カビはどうなのか気になりますよね。
なんと、カビの生育可能なpHは2~8.5。
食事をしている時の胃酸のpHは、食べているものによって変わっているはずなので
食べてしまったカビは、完全に胃酸で殺菌できるわけではないと予想できます。
つまり、生きているカビが胃を通過するということです。
カビが胃を通過して腸にもたどり着くわけですが、実は普通に人間の腸にはカビがいるものなので
体調が変わらなければ、大丈夫。
でももし、カビの生えた食品を食べた後に、体調が悪くなったら病院に行って診察を受けてくださいね!
因みに腸に住むカビは、慢性的な体調不良の原因となると説く医師もいるので
興味があれば、「おなかのカビが病気の原因だった」という本を読んでみるのもいいですね。
私たちは、毎日目に見えない小さなカビを口に入れています。
野生動物は、食物を洗わずに生で食べるので、カビを食べる量なんて人間の比ではありません。
通常は、糞とカビは一緒に体の外に排泄され、カビは糞の分解者として働くのです。
でも食べたくない!!!(食べなくていいです。)
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カビ部分を取り除いて食べたら大丈夫?
部分的にカビの生えたお餅、ミカン、パン、もったいないですよね!
全体的にカビが生えていたら、迷いなく捨てられますが
カビが生えている部分が、ほんの一部だった場合
その部分を取り除けば食べられると思っていませんか?
結論からいうと
「全部捨てて!」
です。
結果的に、カビ部分を取り除いたお餅を食べて
食中毒など、お腹を壊さなかったとしても、たまたま運が良かったのかもしれません。
それは、「絶対大丈夫」ではありません。
カビには、毒を作る種類があるのです!
カビは毒?カビが生えた食品を食べない方が良い理由
カビは毒なのかというと、ちょっと違います。
実は、「カビ=毒」ではなく、カビには「毒を作る種類のカビがある」ということなのです。
私たち人間が、息をして二酸化炭素を出したり、尿や便をするように、成長する過程で、毒を生んでしまう種類のカビがいます。
カビは熱に弱い性質を持っていますが
カビが生育過程で作った毒は化学物質なので、熱を加えても、毒という性質は変わらないものが多いです。
カビがお餅などの食品に生えたのが目に見えた時、相当成長している段階です。
人間なら、大人の体になって、結婚して子供を産む頃です。
だからカビが目に見えたら、すでに食品中に、毒素を作っているかもしれません。
捨てるのはもったいないし、過去に食べて大丈夫だったとしても
「取り除けば大丈夫」ではないことを、覚えておいてください!
カビ毒の種類
カビが作る多くのカビ毒をまとめて「マイコトキシン」と言います。
(カビが作る化学物質でも、毒でないものは「マイコトキシン」と言わない)
マンガ「仁」で有名になった(?)アオカビが作るペニシリンも、マイコトキシンの一つです。
ペニシリン以外では
- アフラトキシン
- ステリグマトシスチン
- オクラトキシン
- パツリン
- フザリウム・トキシン
などが有名です。
このカビ毒がどんな毒かというと
強い発がん性物質のものや、内臓(腎臓や肝臓、その他)への毒
嘔吐、腹痛、下痢、造血機能障害や免疫不全などの、食中毒の症状、
その他、消化管の充血や出血などの症状を起こします。
お餅に生えるカビの種類は?
時々お餅に生えるカビは、青い(青緑色)ですよね。
あれは通称「アオカビ」で、約 150 種類に分類できるのです。
そのアオカビの中には、肝臓や腎臓に害のあるオクラトキシンや
抗生物質で有名なペニシリン(酸)もあります。
アオカビが生えていたら、捨ててくださいね。
ミカンに生えるカビの種類は?
ミカンに生えるカビも、お餅と同じく青いことが多いですよね。
青かったらアオカビです。
黒かったら、通常は「黒カビ」。
喘息の原因にもなるカビで、冬の結露でカーテンに黒い点ができるのは
この黒カビです。
でも黒いカビの中にも「コウジカビ」というのもあって、コウジカビの中には
強い毒を作るカビもあるので、黒いカビにも要注意です!
ミカンには、白いカビもよく発生しますが、この白いカビも「コウジカビ」かもしれません。
カビが生えた食品を見つけた時の対処法
カビが生えた食品を、生ごみのゴミ箱(ゴミ袋)に入れていると
ゴミ捨ての日までに、更にカビが繁殖することになります。
繁殖して目に見える大きさに成長したカビは
さらに子孫を増やすために、胞子をばらまこうとしています。
ビニール袋に入れたり、紙などに包んで捨てましょう。
カビが生えた食品の危険性はカビ毒だけじゃない!
カビが生えている場合、危険性はカビ毒だけではありません。
その理由は・・・
カビが生える(生育する)環境は、他の微生物(食中毒などを起こす菌)にとっても
元気に生育できる可能性が高いから!
カビと細菌、酵母が生育できる温度を表にまとめました。↓
生育可能温度 | 生育最適温度 | |
カビ | 0~40℃ | 25~28℃ |
細菌 | 0~90℃ | 36~38℃ |
酵母 | 0~40℃ | 27~30℃ |
目に見えるカビを取り除いても、他の部分に食中毒菌が繁殖しているかもしれません。
むしろ、カビが生えている(目に見える段階まで成長している)ことを
食中毒菌が繁殖している指標にして、食べるのをやめることをおススメします!
カビ、細菌、酵母のどれも0℃から生育できるなんて、もう冷凍するしかありません。
まとめ
カビが生えたものを食べても、すぐにお腹の中にカビが生えるということはないし、食中毒にもならない場合があります。
でも、カビを取り除いても「カビ毒」が残っている可能性はあるし
カビ以外の食中毒菌がたくさん生育しているかもしれません。
カビが生えた部分を取り除いたとしても安心せず
できれば「ごめんなさい!」という気持ちで、捨ててしまってください。
そして次回からは、冷蔵庫や冷凍庫を活用して
縁のあった食べ物にカビを生やさないように、気を付けましょうね!(自分にも言い聞かせています( ;∀;))