カビにアルコールが効かない?!
本当のところはどうなのか、微生物大好きな私が解説します!
カビをアルコールでやっつける効果的な方法には、コツがあります!
なぜそんな方法で処理しないといけないのか、カビっていったいどんな性質なのか
カビの真実にせまります!
もくじ
結論:カビにアルコールは効くのか?本当のところ
微生物大好きで、大学では生物工学科を先行していた私がぶちまけます。
カビに、アルコールは・・・
効くけど、効きません!
「効くけど、効きません!」って何だよ?!って思いますよね。(;^ω^)
その「効くけど、効かない」理由は、アルコールの使い方にあるのです。
では、カビをアルコールで死滅させる方法とは・・・
スポンサーリンク
カビをアルコールで殺菌する方法とコツ
早速、カビをアルコールで死滅させる方法を紹介します。
カビを消毒用のアルコールで殺菌するためには
スプレーで一瞬だけシュッ東京やっても効果はありません。
だから、消毒用アルコールで代表的なカビを殺菌するために、必要な時間を表にまとめました。⇩
日局消毒用エタノール |
20v/v%イソプロパノール添加63v/v%変性エタノール液
| |
クロコウジカビ | 2.5分 | 2.5分 |
ペニシリウム・シトリヌム | 10分 | 10分 |
アウレオバシジウムプルランス | 30分以内 | 30分以内 |
主なカビをアルコールで殺菌するには、2.5分から30分以内
消毒用アルコール(エタノール)に漬け込む必要があります。
カビを殺菌するために、消毒用アルコールに浸す時間は、2.5分から30分以内ってかなり長く感じます。
そして実際に、2.5分~30分ほどつまり、アルコールに漬け込むのが可能かどうかも問題です。
因みに、エタノールが殺菌に効果を示す濃度は60~95%ですが
エタノールは揮発します。
つまり、時間と共に濃度は薄くなるということ。
だから、エタノールでカビを殺菌したいなら
揮発しないように密閉した環境で(ラップをかけたり袋詰めしたり)、少なくとも2.5分は漬け込まないといけないのです。
というわけで、消毒用アルコールを使ってカビを殺菌する方法・コツをまとめると
濃度は60~95%の消毒用アルコール(エタノール)で、アルコールを揮発させないようにして、2.5分~30分ほど漬け込む。
ということになります。
普通に考えて、難しいですね。(;´∀`)
余談ですが、上の表から考えると
消毒用アルコールにイソプロパノールを含んでいても、いなくても関係なさそうですね。
・・・・・
いやいやいやいや、ちょっと待って!
消毒用アルコールって、スプレーで売られていることが多いのに
2.5分以上漬け込まないとカビを殺菌できないなんて
「普通に使うとカビには効果はないです!」って表記してよ!って思いませんか?
でも・・・仕方ないんです。
実はカビって、細菌じゃないんです。
だから、消毒用アルコールを作っているメーカーは
表記する必要はないのだと思います。
じゃあ、カビって何だ?!
カビは普通の細菌とは違う!アルコールがカビ殺菌に効果がない理由
カビルンルン、バイキンマン、などのイメージが強いカビ。
てっきりバイキンだから「細菌」だと思われているかもしれません。
でも、カビは細菌より進化した生き物、「真菌」なのです。
カビ(真菌)は、分類上植物ではありませんが、植物のような細胞壁を持っています。
つまり、丈夫なのです!
細胞内も、細菌より高等生物に近い構造になっています。
アルコール(消毒用によく使われるエタノール)は
細菌などに浸みて、細胞膜を壊します。
細胞膜が壊れると、細胞内のタンパク質が溶け出したり
タンパク質の変性(構造が変わる)が起きて、殺菌できるというわけです。
つまり、アルコールは「細胞膜に浸みて細胞を壊す」ことで殺菌する効果があるのです。
しかしカビは真菌で、丈夫な細胞壁を持っています。
その細胞壁にアルコールが浸みて、(主な)カビの細胞を壊すためには、2.5分~30分ほど必要、というわけです。
だから、消毒用アルコールがカビの殺菌に「効果はある」けど、家庭でアルコールが揮発しないように2.5分~30分も漬け込むのは難しいから
「効果がない」
と思います。
まとめ
カビにアルコールが効果があるかどうかをまとめます。
消毒用アルコールは、普通にスプレーするだけでは、カビの殺菌には効果がない。
でも、2.5分~30分漬け込むことによって、カビを殺菌することができる。
ただ、表面に見えるカビを雑巾などで拭けば、一応キレイにはなるし
カビ以外の細菌や酵母なら15秒くらいで殺菌できるので、消毒用アルコールは便利な物です。
私はいつも常備してますよ!
※消毒用アルコール(エタノール)は可燃性なので、火のないところで使いましょう!